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清澄庭園|三菱・岩崎家が残した、清澄白河駅徒歩3分の回遊式林泉庭園で名石めぐり

清澄庭園 スポット
スポット

東京都指定の名勝である清澄庭園(きよすみていえん)は、江戸時代から始まり岩崎家が完成させた、回遊式林泉庭園。関東大震災や戦争などの数々の歴史的な事件や災害の被害を潜り抜け、昔も今も変わらずに、訪れる人々を楽しませてくれる名庭です。庭園内には、趣のある建物や美麗な築山・枯山水はもちろん、全国各地から集められた名石が趣向を凝らして配されています。オリジナル手ぬぐいは、マストバイ。

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「東京都 名勝 清澄庭園」について解説

清澄庭園(きよすみていえん)は、三菱財閥の創始者である岩崎彌太郎(いわさきやたろう)が、この地を購入したことにはじまります。
かつて久世大和守や松平美濃守といった大名の下屋敷や豪族の館があったことでも知られるこの地ですが、明治維新などの時代の移り変わりの中で荒廃してしまっていたと言います。その屋敷跡の土地、約3万坪を岩崎彌太郎が買い上げたのが明治11年(1878)のこと。

その後、大規模な造園工事が行われ、彌太郎→弟・彌乃助(やのすけ)→長男・久彌(ひさや)と、岩崎家3代による“お手入れ”によって、明治24年(1891)に回遊式林泉庭園(かいゆうしきりんせんていえん)が完成しました。

完成当時は深川親睦園(ふかがわしんぼくえん)と呼ばれ、三菱社員の慰安や、国内外の賓客を招き設定をする舞台として活用されていたということです。

深川親睦園・西洋館
深川親睦園・西洋館(みつびし みてきた!から転載

深川親睦園の中に建てられた建築も豪華そのもの。敷地内西側(現在の清澄公園エリア)にあった西洋館は、“お雇い外国人”として来日し、鹿鳴館をはじめとした数々の国家事業を手がけたジョサイア・コンドルの設計。鋳鉄製テラス、イスラム風ドーム、オランダ風の破風装飾など、世界中のエッジーなデザインで彩られた当時最高レベルのオシャレでイケてる最先端の建物でした。関東大震災で焼失してしまったことが本当に悔やまれます。これがもし現存していたら…と考えると、胸がドキドキします。そのほか、河田小三郎設計による日本館も、関東大震災で焼失しています。

その関東大震災やその後の戦災を経て唯一当時のままの姿を残しているのが、下で紹介している涼亭です。とてもこぢんまりとした建物ですが、その存在感やデザイン、庭園内でのロケーションなどは最高です。これが残ってくれただけでもよしとしなければいけませんね。

清澄庭園マップ
清澄公園内の立て看板

関東大震災で甚大な被害を受けた深川親睦園は、ときの総帥・岩崎久彌の好意によってさまざまな震災復興に活用された後、比較的震災被害が少なかった東側半分が庭園として東京市に寄付されました。そして東京市による大掛かりなお手入れの後に、都立庭園として清澄庭園が公開されました。

いやー、壮大な歴史。清澄庭園には日本の近代史が凝縮されていますね。

さすが都立庭園、入場料は格安の150円(大人)なり

敷地にはいる正面門。立派!

現在の清澄庭園は、東京都の運営施設。もともとの成り立ち故かもしれませんが、入園料は大人150円、65歳以上70円、小学生以下無料、と格安。

しかも年間パスポートというものが存在し、なんと大人600円、65歳以上280円というサービス価格。ご近所の方は、迷わず年間パスポートを買うべきですね。特に小さい子供がいるファミリーは要チェック、この日本庭園、なんとピクニックができるんですよ。

ちなみに、前からか最近なのかはわかりませんが、交通系電子マネーも使うことができます。便利!

清澄庭園

清澄庭園、令和元年6月1日の風景

庭園西側から見た、涼亭。庭園の奥には“富士山”。そして、庭園のすぐ外には南北に清澄通りが走っています。

こちらも庭園西側の一コマ。
中央の池の中には大小の島が浮かび、橋や石でつながっています。

庭園南側、涼亭脇から入り口付近に建つ大正記念館を望む。正面が真北。

庭園東側にひっそりとある石仏群の小祠へと続く道から、中の島方面を望む。木陰涼しい。

庭園の一般出入口からすぐのところにあるなつめ水鉢。水鉢に使われているのは、攝津御影

中の島から池をのぞき込んだら、超でっかいスッポンいた。

明確な意思を持っていそうで、さらに目つきが狂暴。超コワイ。

庭園内にはこんな鳥もやってきます。おそらくアオサギですね。

清澄庭園内、意外と見落としがちな必見スポット

園内は、のんびり歩くととても気持ちがよいし、入る前にイメージするよりもとても広々しています。

そんな庭園内には”必見”と言ってよいスポットがいくつかありますが、ぼんやりしていると見過ごしてしまう程度にしか、それぞれ主張をしていません。いくつか念のため、紹介します。

“必見”と言いつつ、この激シブのラインナップ、伝わるかなぁ…

「古池の句」碑

「古池の句」とは、松尾芭蕉のアレ↓です。

なぜその記念碑が清澄庭園にあるんでしょう。実は、松尾芭蕉はこの地に深い所縁があるんです。ここからほど近く、現在芭蕉記念館があるあたりに、かつて芭蕉が暮らした庵がありました。古い池の句は、そこで詠まれたと伝わっています。

また清澄庭園のすぐ北にある海辺橋脇には、採茶庵跡がありますが、芭蕉はそこから「奥の細道」へと旅立ったと言われています。そんな縁があり、庭園内に立派な句碑が安置されているのです。

古池や 蛙飛びこむ 水の音

清澄園記

清澄庭園の南西奥、自由広場へと続く入り口の脇にひっそりとある、清澄園記。
過去から続くこの立派な庭園の来歴が記された、堂々たるせ石板ですが、あまり注意を払う人は多くありません。

今も多くの都民や観光客に愛される清澄庭園の礎を築き、震災復興にも多大な貢献を果たした岩崎家の功績を讃える内容ですが、じっくり読むと、とても刺激的で歴史ロマンが感じられます。
清澄庭園の歴史は、まさに近代日本の歴史であることがわかります。ぜひご一読を。

石仏群

このあたりから少し怪しくなってきますが、清澄庭園内に仏さまがいることも、あまり知られていないようです。

この石仏群へと続く道は、メインの散歩道の明らかに脇道、ともすると業務通路かのような雰囲気を醸し出しています。

見つけたときは「発見!」感があるんですが、祠自体は質素そのもの。もう少しキレイにして差し上げてもよさそうなものですよね。とにかく頭を垂れて、そっと手を合わせましょう。

大正記念館再建 高松宮記念植樹

必見かと言われれば微妙だけど、立派な松です。

どうやら大正記念館を再建した際に、高松宮さまが植えられたもののようですね。そのまんまですな..

すぐ脇の生駒石と、さながら夫婦のような塩梅で、園内の一番よいところにスーンと立っています。

清澄庭園内の穴場&オススメ用途(ピクニック)

この時期に絶対外せない庭園内のスポットと言えば、最南端エリアにある花菖蒲田

メインの順路からは少しはずれているため、ここまで足を延ばさずに帰ってしまう人が多数みかけます。

庭園で提示している所要時間が40分なんですが、ここまでじっくりみていると1時間では絶対足りないので、あまり推していないのかもしれませ。が! しっかり手入れもされており、最盛期(6月中旬)はとてもキレイな菖蒲の花が見られます。これぞ必見。

そしてさらにオススメなのが、この花菖蒲田の前に広がる自由広場でのピクニック

実は清澄庭園、アルコール以外の食べ物&飲み物はオール持ち込みOK。レジャーシートは敷けませんが、自由広場にはちょっとしたお弁当やおやつを食べるのにぴったりのベンチやテーブルが用意されています。しかも、いつ行ってもそれなりに空いていて、過去一度も座れなかったことがありません。

屋根付きの東屋もありますし、広場のテーブルはちょうど木陰にくるよう配されていて、この季節でもとても気持ちの良いピクニックが楽しめるんです。いつもではないですが、広場の脇にはジェラートを販売車まで。長居必至です。

有料だからこそのこの環境、しかも有料とはいえ年間パスポート600円。

清澄庭園ピクニック、オススメしたいような隠しておきたいような、とっておきの穴場情報ですね。

涼亭について

清澄庭園でも、一番目立つ優美な建物ながら、その用途や活用可能性について一番知られていないのが涼亭でしょう。

実はここ、事前の予約さえすれば、破格の値段で貸し切り利用ができて、池に浮かぶような風情が超絶溢れる建物のなかで宴会などもできてしまいます。あー教えたくない、けど本当に穴場のスーパーレンタルスペースです。

詳しくは別の記事で紹介しますので、しばしお待ちを。

清澄庭園の名石コレクション、ベスト5!

まずは大正記念館正面、こんもりとした緑の丘の中央に突き出た、伊豆網代石です。

文句なしの存在感。清澄庭園のセンターって感じですね。右奥に見えるのが、高松宮記念植樹と生駒石、左奥に見えるのは摂津御影石の大水鉢です。

お次は、横に入った細かい溝が特徴的な、伊豆石。こちらも石段の脇で、なかなかの存在感をほとばしらせています。

お次は、中の島に渡ってすぐみぎに埋まっている、秩父青石

その名の通り、うっすらと青みがかっている、なんだか神秘的な雰囲気をまとった名石です。触りたい…

池の南側、富士山(築山)のふもとに張り出している、こちらも伊豆石です。

先ほどの伊豆石と同様に、細かく並行に入った横溝が特徴ですね。この石の先端には、必ずと言ってよいほど甲羅干しをしているカメさんがいらっしゃいます。特等席ですね。石自体が、どことなくカメに似ているような気も…

最後は、真鶴石

どっちか?どっちも? よくわかりませんが、シンプルで素朴な形の石が多い中、この石は少し変わった形のママで、しかも砂利の通路に直接埋められています。美しい石ではありませんが、一度目に付くとなんとも気になってしまう、かまってちゃん的なカワイイ名石です。真鶴石、って名前もよいですね。

名石番外編、清澄庭園オリジナル「名石づくし手ぬぐい」

清澄庭園に来たら、絶対に勝って帰るべきオリジナルグッズがあります。それが、清澄庭園オリジナル「名石づくしてぬぐい」1,200円です。

清澄庭園内にある数々の名石やそのほかあれこれが描かれた、なんとも愛らしい清澄庭園限定販売グッズです。お土産にぜひ!

清澄庭園オリジナル「名石づくし手ぬぐい」

清澄庭園への行き方

清澄庭園は、都営大江戸線もしくは東京メトロ半蔵門線の「清澄白河駅」からのんびり歩いて3~4分という好立地。周囲には、楽しい&おいしい立ち寄りスポットがたくさん!

詳しくは別の記事↓で紹介していますので、ぜひご覧ください。

おしまい

最近人気の清澄白河にあって、昔も今も変わらぬ姿で来る人々をいやしてくれる都会の名園。最近は外国人の来園者も多いですが、この庭園で完成された近代的な「回遊式林泉庭園」は、まず日本人にこそ体感するべきではないでしょうか。まだ訪れたことがない方は、サードウェーブなコーヒーでも片手に駆け付けましょう。もしくは、お弁当と美味しいお茶を持参して、ピクニックですね!

スポットデータ

開園時間 9:00〜17:00(入園は16:30まで)
定休日 年末年始
電話番号 03-3641-5892(清澄庭園サービスセンター)

出入口が少しわかりずらいですが、敷地内左上、大正記念館の脇あたりですよ。

次のページでは、こんなところもあるんだ!という清澄庭園のいろいろな顔を紹介します。

【プロフィール】
はいかいちゃん

30代後半、東京のどちらかと言えば東側で暮らしている美人姉妹の父。それなりに多忙な仕事と育児の合間を縫って、せっせと街や川辺や密林をはいかいしています。好きなモノやコトは、歩く、食べる、酒、旅、買いもの、本、写真、春秋、建物、007、自宅、妻子

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