かつて秋葉原の地にあったヤマギワリビナ本館(2010年閉店)は、高嶺の花のデザイン家具や家電を眺めるデザイン好き庶民のワンダーランドでした。リビナは閉店したけれど、ヤマギワは健在。今回は、オンラインショップで買える最高におしゃれで洗練された、いつか手に入れたいイス(ダイニングチェアー)とスツールの名作を、15個ピックアップして紹介します。いずれ劣らぬ最高におしゃれで格好良いイスたちです。
- イスはとても大事、特にダイニングチェアー
- 1.THONET/no.215R(トーネット)
- 2.THONET/no.118(トーネット)
- 3.CARL HANSEN & SON/CH24 Y Chair(ワイチェアー)
- 4.artek/68 chair(アルテック、アアルト)
- 5.artek/PIRKKA CHAIR(アルテック、ピルッカ)
- 6.artek/DOMUS CHAIR(アルテック、ドムス)
- 7.artek/Rival chair(アルテック、ライバルチェアー)
- 8.maruni/HIROSHIMA(マルニ木工、深澤直人)
- 9.maruni/アームレスチェア(マルニ木工、SANAA)
- 10.FDB Mobler/J46
- スツールもとても大事
- 11.artek/E60 stool(アルテック、アアルト)
- 12.artek/PIRKKA STOOL(アルテック、ピルッカ)
- 13.Vitra/Cork Family Model B(ヴィトラ、コルク)
- 14.Vitra/Elephant Stool(ヴィトラ、柳宗理)
- 15.abode/XS-Stool(アボード)
- おしまい
イスはとても大事、特にダイニングチェアー
インテリアでまず最初に気になるのがイス、それもダイニングチェアーです。
毎日必ず腰掛けることが確実なダイニングチェアーは、インテリアとしても座り心地もとても重要です。来客時にも当然ながら目に触れる、家の顔と言っても過言ではない家具だと思います。
名作と呼ばれるイスはどれもそれなりに高価ですが、20〜30年もの長い時間を共に過ごすパートナーなので、結婚相手を探すつもりで真剣に妥協なく取り組むのが必然でしょう。
早速、私が憧れれている&実際にいま購入を検討している中から、選りすぐりの10脚を紹介します。
1.THONET/no.215R(トーネット)
机の奥にみえる籐(ラタン)で編まれた背もたれ付きのイスが、THONET(トーネット)のno.215 Rブラック。その隣はトーネットの象徴、no.214です。世界で最も成功したマスプロダクトチェアとされ、モダン家具の始まりを告げる名作チェアーです。
木製パーツはいずれもビーチ材で、ステイ塗装が施されています。重さは2.9kgと持ち運びも便利。背もたれ同様のラタン座面の裏側には補強用のサポートメッシュ(ポリエステル)がついているので、強度も安心です。
値段:174,900円(税込)
デザイナー:Michael Thonet(ミハエル・トーネット)
サイズ/重量:W430×H840×D520mm SH460mm / 2.9kg
2.THONET/no.118(トーネット)
同じくTHONET(トーネット)。no.214やno.215のような軽やかさはありませんが、どんなテーブルや家具にも合わせられそうなニュートラルでミニマムなデザインです。オーソドックスなトーネットチェアーのエッセンスは感じさせながらどこか現代的。それもそのはず、デザイナーのセバスチャン・ヘルクナーは1981年生まれ(2021年でまだ40歳!)。
トーネットの伝統をいかしつつ、現代のライフスタイルや空気感を反映した、とても使い勝手の良いデザインだと感じます。我が家のダイニングチェアーの超有力候補。no.214やno.215よりも、値段もかなりリーズナブル(これ大事)。
値段:77,000円(税込)
デザイナー:Sebastian Herkner(セバスチャン・ヘルクナー)
サイズ/重量:W420×H800×D500mm SH460mm / 4.0kg
3.CARL HANSEN & SON/CH24 Y Chair(ワイチェアー)
1950年に発表された、ハンス・ J・ウェグナーによるY Chair(ワイチェアー)。名作中の名作です。シックで洗練された注文住宅のダイニングにあるのは、かなりの確率でこのイス。
この背もたれのY字が名前の由来。見た目のデザインがよいだけでなく、座り心地も抜群。手作業で1本1本編まれいてる座面のペーパーコードはほどよい弾力があり、張り替えることもできます。
我が家に導入するにはちょいと落ち着きがあり過ぎるかなと思いますが、検討時に無視することはできない。そんな名作です。
値段:82,500円(税込)
デザイナー:Hans J Wegner(ハンス・J・ウェグナー)
サイズ:W550 D510 H760 SH450mm
4.artek/68 chair(アルテック、アアルト)
私の中でフィンランドと言ったらアルヴァ・アアルトなのですが、そのアアルトの代表作の一つが68chairです。ダイニングで使えるアアルトのイスだと66や69もいいけれど、私にちょうどよいのはこの68。
写真のな新品もよいけれど、ヴィンテージを探して使うのもおすすめです。何十年も前に生産されたものでも問題なく使えるし、どれも魅力的。質実剛健さと繊細なデザイン性をあわせ持った、とても実用的な魅力的なイスです。北欧スタイルな暮らしを目指すなら、一脚は持っていて損はありません!
値段:64,900円(税込)
デザイナー:Alvar Aalto(アルヴァ・アアルト)
サイズ:W430 D485 H680 SH435mm
5.artek/PIRKKA CHAIR(アルテック、ピルッカ)
イルマリ・タピオヴァーラのPIRKKA CHAIR(ピルッカチェアー)です。発表は1955年、半世紀を超えて今なお愛される名作イスです。イルマリ・タピオヴァーラは、フィンランドを代表する家具デザイナー。とても華奢なイメージのピルッカシリーズですが、骨組みを成す木製パーツの中央部分はぷっくり膨らんで頼もしく、座面も厚めで、持つとずっしり頼り甲斐があるロールキャベツな逸品です。
値段:92,400円(税込)
デザイナー:Ilmari Tapiovaara(イルマリ・タピオヴァーラ)
サイズ:H810 W390 D440 SH430mm
6.artek/DOMUS CHAIR(アルテック、ドムス)
このDOMUS CHAIR(ドムスチェアー)も、イルマリ・タピオヴァーラによるものです。なんとなくの感覚ですが、この10年ほどで人気が再燃している感じがあります。
もともとは、1946年にイルマリ・タピオヴァーラがヘルシンキ大学の学生寮(ドムス・アカデミカ)の家具デザインを任された際に誕生した肘掛け椅子です。
広い座面はヒップラインに合わせて成形されていて、長時間座っても疲れにくいように配慮されています。さらには、画像のように革張りバージョンであればもう何時間でも座っていられるほどの心地よさと安定感があります。
ダイニングはもちろん、ワークスペースでも十分に活用できる汎用性の高い名作です。
存在感はありつつも邪魔にならないサイズの肘掛けが最高です。一回座ると絶対欲しくなるので、お近づきの際にはお気をつけください(笑)。
値段:126,500円(税込)
デザイナー:Ilmari Tapiovaara(イルマリ・タピオヴァーラ)
サイズ:H790 W580 D540 SH445 AH660mm
※革張りでないシンプルなタイプは92,400円〜
7.artek/Rival chair(アルテック、ライバルチェアー)
実はつい最近まで存在を知らなかった、Rival chair(ライバルチェアー)です。デザインしたのはドイツ人のコンスタンティン・グルチッチ。1965年生まれのプロダクトデザイナーで、カッペリーニ、ドリアデ、フロス、イッタラなど、錚々たるブランドから自身の作品を発表しています。
このイスの一番の特徴や、artekの中でも珍しい回転式(!)の座面。シンプルなフォルムながら、座り心地をまったく損なわずにくるくると気持ちよく回転します。ダイニングにもよいですが、個人的にはワークスペースの一脚として検討中です。
私の好みはホワイトですが、他にもさまざまなカラーが揃っています。
値段:103,400円(税込)
デザイナー:Konstantin Grcic (コンスタンティン・グルチッチ)
サイズ:W590 D520 H780 SH460mm
8.maruni/HIROSHIMA(マルニ木工、深澤直人)
世界に誇る日本の家具ブランド・マルニ木工による名作イスです。デザイナーの深澤直人さんは、デザイン家電のパイオニアである±0や、無印良品の大ヒット商品で知られている、日本を代表するプロダクトデザイナーです。デザインに興味がある人なら絶対に知っている、世界に誇るべき日本人代表の一人です。
ナチュラルな木肌を生かしたシンプルなかたちのHIROSHIMA(ヒロシマ)シリーズ。
精緻な構造の「HIROSHIMA(ヒロシマ)」シリーズのうちのひとつ。背からアームにかけての緩やかなカーブが実に美しいこのアームチェアは、ダイニングチェア以外の用途でも広く対応できます。同じHIROSHIMAシリーズのアームチェアもステキですが、個人的には断然こっちの方が好みです。
使う場所を固定せず、いろんなところに移動して座り倒したい派です。笑
値段:70,400円(税込)
デザイナー:Naoto Fukasawa(深澤直人)
サイズ:W535xD515xH738xSH447mm
9.maruni/アームレスチェア(マルニ木工、SANAA)
こちらもmaruni。そして、深澤直人さんと同じく世界に誇りたい日本人代表のSANAAデザインです。SANAAというのは、妹島和世さんと西沢立衛さんお二人の建築ユニット。世界中の建築コンペで勝ち、世界中に大小素晴らしい建物を生み出し続けているモンスターです。
日本国内だと、金沢21世紀美術館がつとに有名です。美術家の中には、このアームレスチェアーもずらっと置いてあります。
そんなSANAAによる、ウサギの耳のような背もたれが最高に可愛いアームレスチェアです。ホワイトはもちろん、ピンク、グリーン、イエローなど、みているだけでも楽しくなるようなカラフルなラインナップ。玄関やサニタリー、キッチンや軒下などにちょっと置いておくと、雰囲気が華やいで最高です。
座り心地もとてもよいく、木の弾力を程よく感じる背もたれは可愛いだけではない優れもの!
値段:49,500円(税込)
デザイナー:SANAA(妹島 和世+西沢 立衛)
サイズ・重量:W370 × D420 × H820 / SH 425 mm・5.0kg
10.FDB Mobler/J46
ポール・M・ヴォルタがデザインしたJ46チェアは、発表当時にデンマークでバカ売れし、誇張なしに5人に1人は持っていると言われた大ベストセラー。 、今もなおデンマークを代表する国民的チェアのひとつです。ポール・M・ヴォルタはハンス・オルセンの工房でも修行をしていた家具職人で、飾り気のないシンプル、そしてなにより美しい家具を作り出しました。
「丈夫で、美しく、座り心地が良い、そして手軽な価格」を標榜するFDBモブラーの理念を体現したような一脚。タピオヴァーラのピルッカチェアーに通づるイメージを持ちながら、より安心感のある楽しげな雰囲気を醸し出しています。4脚買ってやっと「THONET/no.215R」1脚程度の価格、確かにお得!
値段:37,400円(税込)
デザイナー:Poul M Volther(ポール・M・ヴォルタ)
サイズ:w450×d480×h800 sh450(mm)
スツールもとても大事
さらに生活に潤いを与えてくれるスツールも忘れてはいけません。
毎日必ず座るわけではないけど、ちょっとしたお気に入りスペースに設置しておけば、オブジェとしても楽しめるし、ふとした瞬間に腰をおろして寛ぐこともできる。忙しい日々の隙間の僅かな時間にそっと心を慰めてくれる、まさに“潤い”です。スツールは、とにかく見た目が気に入ったものを選ぶのが吉です。
特に私が気になっている(もしくは既に所有している)5脚を紹介します。
11.artek/E60 stool(アルテック、アアルト)
こちらもアルヴァ・アアルトの代表作、上で紹介した68チェアーの兄弟アイテムです。むしろこちらの方がさまざまなところでみますし、類似(模倣)商品も世界中に広まっています。それでもこのスツール60は、アルテックを象徴するプロダクトの一つとして、創業以来800万脚以上販売されてきた名作です。ちなみにデザインされたのは、なんと1933年。
ちなみにここで紹介しているE60は4本足タイプですが、私の好みはどちらかといえばシンプルな60(3本足)です。安定感では4本足に劣るものの、よりミニマムなプロポーションはスタッキングした時にも最高に美しいです。我が家には色違いで4脚があります。
スツールを検討するにあたっては、絶対に外すことができないオールタイムオールワールドスタンダードです。とっても丈夫なので、間違いなく一生使えます。
値段:34,650円(税込)
デザイナー:Alvar Aalto(アルヴァ・アアルト)
サイズ:W410 H440mm(座面径:φ350)
12.artek/PIRKKA STOOL(アルテック、ピルッカ)
こちらもシリーズとしては既出、PIRKKA(ピルッカ)のスツールです。ダイニングチェアーだと、体格のよい人だと少し不安を覚えるほどの華奢な雰囲気が特徴でしたが、スツールとなると印象はガラリと変わります。
座面木材の頼り甲斐のある厚みと、しっかりと四方に踏ん張った脚が、見た目にも安定感を生み出しています。正面から見ると、なんだか鳥居のようにも見えてきますね。広めの玄関、暖炉がある家ならその傍など、ちょっとした作業や動作をする場面のパートナーとして使ってみたいです。
上の写真にある通りベンチタイプのアイテムもありますよ。
値段:84,700円(税込)
デザイナー:Ilmari Tapiovaara(イルマリ・タピオヴァーラ)
サイズ:H440 W440 D280mm
13.Vitra/Cork Family Model B(ヴィトラ、コルク)
イギリスの人気デザイナー、ジャスパー・モリソンによるコルクファミリーです。一見してユニークな材質と形状から成るスツールは、その名の通りコルクでできています。紹介してるのはシリーズ中で一番私がお気にいりのModel B。シンプルで安定感のあるデザインは、サイドテーブルにも最適です。
触り心地はとても滑らか。天然素材なので子育て中の家庭にもぴったりです(かじられないように注意…)。見た目の個体差がけっこうあるので、これは実物をみて選ぶのがおすすめですよ〜。
値段:52,800円(税込)
デザイナー:Jasper Morrison(ジャスパー・モリソン)
サイズ(重量):φ310 H330mm(3.6kg)
14.Vitra/Elephant Stool(ヴィトラ、柳宗理)
日本を代表するプロダクトデザイナーである柳宗理(やなぎそうり)さんによる名作です。ポリプロピレンのぽてっとした三脚スツールは、世界中のデザインを愛する人々に支持されています。屋内はもちろん、屋外や半屋外空間にも絶妙にマッチする形状と素材。名作です。
最近はリプロダクト(ジェネリック)も多いので、オリジナルにこだわる方はご注意を。
名前の通り、象の足のような愛らしい姿。ホワイトとブラックがありますが、断然ホワイトの方がかわいらしいです。美術館や図書館などの公共施設でもよくみかけますが、圧倒的にホワイトが多いですね。
そしてなにより魅力的なのは、14,300円という値段。簡易な形状と安価な素材ゆえかと思いますが、世界基準の名作イスとしては破格。しかもどんなインテリアにも馴染んでしまう万能さ。
デザイン家具の入門編として、とりあえずポチッと購入しておくことをおすすめします。笑
値段:34,650円(税込)
デザイナー:Alvar Aalto(アルヴァ・アアルト)
サイズ:W410 H440mm(座面径:φ350)
柳宗理さんの名作イスといえば、バタフライスツールを推す人も多いです。今回は個人的な好みでエレファントスツールを選びましたが、いずれ劣らぬ名品です。
ちなみにバタフライスツールの製造元は山形の天童木工。パリのルーブル美術館やニューヨークの近代美術館(MoMA)にも収蔵されています!
15.abode/XS-Stool(アボード)
abode(アボード)は、洗練されたデザインと機能性を追求する日本のファニチャーレーベル。ちなみにabodeとは、英語で「住居」を表す言葉です。
XS-Stoolはその名の通りとてもコンパクト。必要以上にモノを広げて散らかしてしまうことが無いように、最小限のサイズと機能を追求してデザインされているとのこと。
私はそのコンセプトや機能というよりも、シンプルに見た目が気に入りました。
このスツールとセットで使用するためのデスクとワゴンもありますが、私はこのスツール単品で購入するつもり。キッチンやランドリースペースなど、作業の合間にちょっと腰掛けるのにぴったりだと思いませんか? 値段もかわいい!
値段:11,000円(税込)
デザイナー:津留 敬文
サイズ:W260×D260×H430mm
おしまい
普通に暮らしていると、イスなんてたまにしか買いません。特にダイニングチェアーとなると、本気で検討して購入するタイミングなんて、一生に一度か二度くらいしかやってきません。
そんな稀有な機会になんとなく選んでしまうなんて、絶対にもったいない!
「みんな使ってるし」とか、「とりあえずこれでいっか」ではなく、絶対に自分が満足できるものを、しっかりと予算をかけて購入したいものです。私もいま悩みに悩んでいますが、1年ほど後に引っ越しの予定があるので、それまでに決断しなくてはなりません。
未来の自分の幸運を祈ります。笑