飛鳥山下跨線人道橋、読めますか? 正解は、(あすかやましたこせんじんどうきょう)です。つまり、飛鳥山の下にある、線路をまたぐ人専用の橋ということですね。桜の名所かつ日本最初の公園の一つでもある飛鳥山公園に直結の、王子駅東側から公園中央エリアへと行楽客を導くバイパス橋です。
飛鳥山下跨線人道橋上からの風景
橋上から見た北方面
見ての通り、線路の真上を走る跨線橋です。下の線路はJR東日本の東北本線、右奥に見えるのはJR「王子駅」で、駅を挟む線路は京浜東北線です。
そして、左側の緑がこんもり生い茂った森的なゾーンは、すべて飛鳥山公園でございます。本当に線路沿いですね!
橋上から見た南方面
こちらは逆側、右から飛鳥山公園、東北本線、京浜東北線、そして一番左はなんと新幹線高架。鉄道ファンならずとも少し興奮してしまうような並びです。
飛鳥山公園には、この3つの並行して走る路線群を眺められるスーパー鉄道ビューテラスがあります。わかってるなぁ。
これ、新幹線です。「はやぶさ」かな?
飛鳥山下跨線人道橋がある風景
王子駅南口から直結の飛鳥山下跨線人道橋、改札を出てすぐ右手、橋に上がる階段の下からの眺めはこんな感じ。
スリムでスマートなアーチ橋ですが、下を電車が走ると結構な迫力ですよね。ガタンゴトン!ガタンゴトン!という走行音も背骨に響いてくるほどです。
「王子駅」側から橋の高さまで上がり、飛鳥山公園方向を見るとこんな感じ。
休日は鉄道ファンの親子連れや、ついつい公園に行くついでに足を止められたさんぽ客がちらほら。皆の静かな高揚が伝わってきます。
橋を公園側にわたって振り返ると、こんな感じ。覆いかぶさった木々の緑がいい感じですよね。
この橋の面白いところは、古いレールをリサイクルして作られているというところ。そんなのアリなんですね。笑
確かによく見ると、レールのような。。。でも言われないとわかりませんね。
橋の下、線路と飛鳥山公園の間は、飛鳥の小径というさんぽ道になっています。
公園側から橋を見下ろす
飛鳥山下跨線人道橋にまつわるあれこれ
歩行者専用の橋ですが、鉄骨はしっかり組まれたスリムながらも頑丈そうな橋です。アーチ橋ですが、この天井部分にトラスが組まれた造りは何というんでしょうか。道路面とアーチとをつなぐ鉄骨は垂直ですが、骨は多いので見ていて安心感があります。
実はこの橋、道路としての登録はなく、あくまでもJR「王子駅」の一施設という扱いなのだとか。つまり橋を渡りきるまでは「王子駅」なので、飛鳥山公園と駅は本当に”隣接”しているということですね。
なんというアクセスの良さ。
飛鳥山公園内の遊歩道
橋が駅とつなげている飛鳥山公園は、都内でも有数の桜の名所。江戸時代の享保年間に、徳川吉宗によって開かれた日本最初の五公園の内の一つです。桜の花見も江戸時代から続く飛鳥山の風物詩です。
ちなみに他4園は、上野、芝、浅草、深川です。現在もすべて残っているのがすごいですよね。
広大な飛鳥山公園の中にはファミリーで楽しめる遊具や施設がたくさんありますが、特に鉄道遺産を活用した遊具(展示物)が豊富。引退したD51(蒸気機関車)の車両はもちろん、都電の旧車両も見逃せません。渋い。
D51853
都電6080
都電6080車中、木製ロングシートがいい感じ
都電6080車中から壮大な遊具を望む
飛鳥山公園の北端には、「王子駅」北口利用者が公園へアクセスしゃすいようにと設置された、全行程2~3分のミニモノレール(あすかパークレール)が。なんと無料!
おしまい
駅直結のさりげない佇まいながら、都内有数の公園を楽しむ人々には欠かせない、ワクワクを渡す夢のある橋です。レールの古材をリサイクルしているというのも、なんともよいエピソードじゃないですか。桜の時期はもちろん、初夏の緑がこんもりした時期(今)こそおすすめの、名橋です!
※地図は、飛鳥の小径のものです。すぐ脇にあるが飛鳥山下跨線人道橋
行き方(アクセス):JR「王子駅」南口から徒歩すぐ
↓オマケ
線路の逆側が橋の入り口、手前は都電荒川線の踏切です。