JR東日本の快速などの普通列車の真ん中あたりにくっついているグリーン車、乗ったことありますか? うまく使えば、控えめに言ってもコスパ最強です。少し長くなりますが、絶対にオススメな理由&利用時のポイント、そして料金や買い方について徹底解説します。一度乗ったらもう病みつきですよ。笑
※2020年5月22日に更新(普通列車グリーン車内のグリーン券購入時に、Suicaが利用できるようになりましたっ!)
普通列車グリーン車ってなに?
普通列車グリーン車とは、新幹線や特急ではなく、普通運賃で乗車可能な快速などの列車に連結されている特別車両です。
グリーン車とか、普通グリーンとか、快速グリーンとか、いろんな呼び方をされてますが、普通列車グリーン車が正式名称です。長すぎるので、もう普通グリーンでいいんじゃないかな。ダメか。
だいたい列車の中央あたりに、2階建て&2車両が挟まっています。シートは2列×2列。1階も2階も同じですが、眺めが少し良いからか、だいたい2階の方が少し混んでいます。笑
どの列車に付いてるの?
まずグリーン車が列車についていないと乗れないのですが、2023年11月現在でグリーン車がある路線はこちら。
- 東海道線
- 横須賀・総武線快速
- 上野東京ライン(常磐線)
- 湘南新宿ライン
- 高崎線
- 宇都宮線
結構ありますね!
主に首都圏の、都心へとつながる中距離アクセス線に付いているようなイメージです。朝夕は通勤通学で大混雑しがちな路線とも言えそうです。
グリーン券の料金は?
こちらがグリーン車内に貼られている料金表です。
- 平日と土休日(ホリデー)
- 50kmまでと50km以上
- 車内購入と事前購入(モバイルSuica含む)
といった区分で料金が変わってきます。
駅の券売機が混んでいて買いたくても買えず、しょうがなく乗車後に買う場合でも割高な車内料金となります。
この中でも断然オススメは、
休日&50km以上&モバイルSuica購入。
この組み合わせでコスパが最強、Lv100です。
つまり、
800円でできるだけ長距離乗る
ということです。800円さえ支払えば、100km乗っても追加料金はありません。100kmってほぼ2時間ですよ。
ちなみに土休日(ホリデー)とは、土曜・日曜・祝日・振替休日と年末年始(12月29日〜1月3日)です。
グリーン券の買い方は?
車内購入と事前購入がありますが、絶対に事前購入しましょう。まったく同じサービスを受けるのに、車内で買うだけで260円高くなります。
無券乗車の抑止という意味合いもあるかと思いますが、自分で払うのは絶対に嫌です。
事前購入の仕方は、3つ。
1.モバイルSuica・Apple PayのSuicaで購入
これが断然オススメです。
今や日常の買い物はほとんどモバイルSuicaを使っていますが、モバイルSuicaでグリーン券が買えるようになった時は、本当に感動しました。
それまでは、乗りたい列車まで時間がない時や、大きい荷物を持っている時など、券売機での購入が間に合わないことがよくありました。そもそもホーム上で荷物をいったん下ろして、財布からSuicaを取り出すというのも煩わしいですしね。。。
モバイルSuicaになってからは、(極論)乗ってからでも間に合います。とりあえずグリーン車に乗ってしまって、荷物を下ろしてから購入しても事前購入として成立します。(厳密に言えば✖️だとは思いますが…)
慣れれば1分ほどで購入完了しますが、車内検札のアテンダントさんが1分以内に来ることは、経験上ほぼありません。
頻繁に使う人は、履歴購入もできます。これ、便利!
最下部にグリーン券というタブがありますので、ここから購入しましょう!
2.JREポイント(600ポイント)と交換する
意外と知られてないのですが、JREポイントで普通列車グリーン券をゲットすることができます。最近は、JREポイントがどんどん貯まりやすくなってきているので、知らぬうちにたまったJREポイントの使い道としては、かなり有りです。プチ贅沢です。最高です。
1枚=600ポイントで交換でき、どれだけ長い距離を乗車してもこのポイント数は変わりません。つまり、上で書いた「休日&50km以上」という条件以外では、これが一番お得ということになります。期間限定ポイントも利用可能です!
ちなみにシステムの都合上、板 Suicaでの利用は交換の翌日以降となります。モバイルSuicaだと交換した直後から利用できますので便利。やはり時代はモバイルSuicaですね。
さらにさらに、たまーーにですが、JRE POINT400ポイントで普通列車グリーン券が購入できるキャンペーンが不定期開催されています。最近では、2023年7〜8月に実施されていました。夏休みの繁忙期に実施するとは、JR東日本は太っ腹ですねぇ。
JRE ポイントためて、つかってキャンペーン 〜いつもよりおトクにポイントを使おう〜
3.ホーム上のグリーン券専用券売機で購入
グリーン車が停車する駅のホームには、グリーン券専用の券売機が立っています。グリーン車が停車する付近にあるので、どこにあるのか迷うことはありません。券売機上には、大きな看板も下がっているはずです。
これが券売機です。
ですが、この券売機はICカード専用なので要注意。Suica以外の交通系ICカード(PASMO、Kitaca、TOICA)も使えますが、現金は使用できません!
残額が足りない場合は、お札で千円1枚分のみチャージすることができます。このシステム、なんだか痺れます。笑
4.改札外の券売機かみどりの窓口で購入
正直使ったことがないのですが、改札外のグリーン車マークの付いている自動券売機でも購入できるみたいです。磁気券(!)のグリーン券が発券されるようです。 改札外の自動券売機で購入した場合は、磁気券か手持ちのICカードへの書き込みか、選択することができるということです(2022年1月更新)
これはもう、いずれかの事情でICカードを持ってない(持たない)人か、よほど周到に移動の準備をする人しか使わないのではないでしょうか。
もしくは、大人数のグリーン券をまとめ買いしたい時ですかね。
5.改札外の券売機かみどりの窓口で購入
一番やってはダメなのが、車内で購入することです。どうしても止むを得ない緊急事態の手段であって、基本的にはありえません。
というのも、車内での購入は通常料金にすべて260円増しされた金額で購入することになるからです。グリーン料金を支払わず乗車する輩(ヤカラ)に対する、JRの威嚇と捉えていいでしょう。
6.グリーン定期券
そして極め付けは、グリーン定期券(!)というものがあります。
これは、毎日決まった区間の普通列車グリーン車に乗車する場合などには便利ですね。私も通勤区間が該当したら迷わず買っていたでしょう。グリーン定期券の購入は、みどりの窓口での対応となります。
グリーン車の乗り方は?
グリーン車に乗ると、座席の上部天井部分に赤と緑のランプが灯っています。このランプが赤い席が空席です。
自分の席を決めたら、グリーン券を購入したモバイルSuica、もしくはSuicaを赤いランプ脇のSuicaのイラスト部分に近づけます。すると、パッと緑のランプに切り替わり登録完了です。
緑が着席登録済み、赤が空席
磁気券でグリーン券を購入した場合は、回ってくるアテンダントさんにグリーン券を提示すると、別の操作でランプを緑にしてくれます。
普通列車グリーン車のここがオススメ!
やっと本題、乗車のメリットです。
言いたいことは山ほどあるんですが、絶対にオススメな理由を5つだけピックアップして紹介しますね。
テーブルがついている!!! 収納可
え、そんなにすごい? と思う人もいるかもしれませんが、これ普通列車ですよ。間違いなくすごいです。
最近の在来線はベンチシートがほとんどで、とにかくたくさん人を載せるための仕様になっています。
でもグリーン車には、テーブルが付いている! テーブルが付いていると何が良いかと言うと、
- 駅弁が食べられる!
- お酒が飲みやすい!
- パソコンで作業ができる!
これですよ。
つまり一気にパーソナルな空間が、自分だけのおこもりスペースが出来上がるわけです。長距離移動でこれは本当に嬉しいポイントです。
あと肘掛けとシートポケット、さらに窓際に物(缶ビール)が置けるのも最高です。
ボックスシートになる!
2列のシートはどこでもクルンと回転させられます。
私は家族(子連れ)で利用することが多いので、これも本当に嬉しい。
大きい荷物も置きやすくなりますし、子供が多少動き回ることもできます。なにより、ボックスシートに座ると無条件でウキウキしますよね。笑
ちょっとした日帰り旅行でも、シートを回せば一気に旅行感が出てくるから不思議です。お互いの顔もよく見えて、会話もはずむ!
トイレ&洗面台もついてる!
これも安心です。
だって長距離乗ることが前提なので、しかも席では駅弁とか食べたり、お酒飲んだりしちゃうわけで、トイレは行くでしょう。
地味に嬉しいのが洗面台。飲み食いした後の、ちょっとした身支度にあると嬉しいです。手をあらったり、うがいをしたり。
子連れに優しい(涙…)!
グリーン車と言っても普通列車なので、未就学児(〜6歳)は無料です。
ここまでは普通なのですが、はじめて子供と一緒に乗ってシートに座らせていた時にびっくり!
いつの間にか、グリーン券を購入していない子供が座っている席のランプが緑になっています。どうやら車内検札のアテンダントさんが、手動で操作してくれているみたい。
ささやかな気遣い「ありがたいなー」と思っていましたが、このサービスはどうやら徹底している様子。
後日、それなりに混んでいる時間に子供を膝にのせて乗車していました。隣の方が降りたので一時的に子供を座らせていたところ、ササッとアテンダントさんがやってきて「お子様の座席、ランプの色変更しておきますね!」と仰って、すぐに緑のランプにしてくれました。涙
こういうところはモラルの問題もあるので難しいところですが、グリーン車サービスのとてもすばらしいところです。
関連記事です。すべてのファミリーにオススメしたい…
休日はとにかく空いてる!
これ、別に車庫とかじゃないですよ。笑
日曜の昼間の総武線快速のグリーン車の風景です。ガラガラです。
とは言っても、平日朝の上りや、平日夜の下りは、グリーン車なのに立ち客がいるくらい混雑しています。超極端。
平日と休日では、そもそもグリーン車に乗る動機が違うのではないかと思います。
平日は、グリーン車も混んでいるとはいえ、普通車はもっと大混雑しています。ぎゅぎゅうの満員電車よりは満席のグリーン車の方が当然楽。しかもあわよくばゆったり座っていけるわけです。
一方休日は、普通車もそれなりに空いています。それでもなおグリーン車を選ぶのは、この特別感で800円(距離によってはほぼ1コイン!!!)と言う感動が毎回得られるから。もはや「座れるから」とかじゃないんですよね。
たとえ普通車がガラガラでも乗る、私は。
普通列車グリーン車を利用する時のポイント
ここで少し、グリーン車を利用する際のポイントというか、裏ワザ?を紹介します。
実は裏でもなんでもなく、ちゃんとした制度なんですが、意外なくらい知らない人がおおいんですよねー。
座れなかったら、払い戻し可能です
休日はほとんどないんですが、せっかくグリーン券を購入したのに満席で座れない場合があるかもしれません。
「座りたい」という理由でグリーン券を買った方は、ガッカリ…
そんな時は、必ず回ってきたアテンダントさんに申告をして、使わなかったことを証明する用紙を受け取りましょう。残念ながらその場では手続きできないのですが、降車後、みどりの窓口にて払い戻しを受けることができます。
注意したいのは、必ず車内で証明証を受け取ることです。
ちなみに、グリーン車に乗る場合は、座れずデッキに立っていた場合でもグリーン車料金がかかります。「たった一駅だから」「座れないから買わない」などの理由は一切通用しないのでご注意を!
同一方向なら、乗り継ぎもできます
例えば千葉から熱海まで、必ず乗り換えが必要ですよね。特急に乗らずに行くとしたら、総武線快速と東海道線を乗り継ぐことになります。
この間ずっとグリーン車で行くとしたら、グリーン券の合計額はいくらになるでしょうか。
答えは800円です。
これが一番知られていないシステムです。と言うか、かく言う私も最近気がつきました。
この制度を活用すると、なんとグリーン料金は
- 横浜から偕楽園(水戸)まで行っても800円!
- 大船から川村記念美術館(佐倉)まで行っても800円!
- 柏から葉山(逗子)まで行っても800円!
びっくりするくらいお得なシステムです。
この制度には2つポイントがあります。
- 乗り継ぎは改札を出ないこと!
- 同一方向への乗り継ぎであること!
1つ目はともかく、2つ目の「同一方向」というところが少し難しいですよね。詳しくは↓の、JR東日本の公式サイトで確認してみてください。
ちなみに乗り継ぎの際は、はじめに座っていた座席の上のランプを降りる時にタッチします。すると、緑が赤に変わります。
その後乗り継いだ列車でもう一度タッチすると、ちゃんと緑色のランプが点灯しますよ。
いやーすごい。
これを使いこなしたら、完全に上級者です。というか、使いこなしたくなるお得システムです。
玄人は、乗車距離を自在に操る
グリーン車の料金区分は何で変わるか思い出してみてください。
- 平日と土休日
- 50kmまでと50km以上
- 車内購入と事前購入(モバイルSuica含む)
この3つ、平日と休日は利用時のメリットが違います。車内購入と事前購入は、絶対的に事前購入するのがおトク。というか車内購入はまるまる損。
残るは距離です。
「行き先は決まってるんだから、考える余地はない」
そうかも知れません。
ですが、ちょっと工夫すれば、そのちょっと工夫した分は確実にトクになります。
例えば、品川から葉山に行こうと思ったら逗子駅で降りるわけですが、この「品川駅ー逗子駅」間の距離は51km。このたった1kmのために、220円余計に支払うわけです。
逗子駅から葉山までは京浜急行バスで250円。もし節約できたら、ほぼバス代が浮いちゃいますよね。
じゃあどうすればいいか。
一つ手前の駅で、グリーン車から普通列車に移るが正解です。
逗子駅の一つ手前は鎌倉駅ですが、「品川駅ー鎌倉駅」間はなんと47.1km(50km以内‼︎)です。降りるひとつ前の駅に着くまでに荷物をまとめて、隣の車両に移るだけです。
なんとなくの感覚ですが、50kmの境目となる乗車時間は50〜60分くらいです。「あっ」と思い出したら、普段使っている乗り換え案内の画面を見てみてください。だいたいのサービスで走行距離も確認できますよ。
これも普通列車の気軽さや車両の短さあっての節約術。うーむ奥が深い、普通列車グリーン車! 笑
まぁここまで徹底する人はかなりレアでしょうけど。私も普段はやりません。。。
普通列車グリーン車のダメなところ(改善希望!)
ここまでベタ褒めでしたが、少しは不満もあります。と言ってもそんなにないのですが。
乗車状況がリアルタイムでわからない
基本的には“絶対に空いている時“に使う場合が多いんですが、たまにどういう混雑状況か読めない時間帯ということもあります。そんな時は本当に迷うんですよね。
しかも普通列車グリーン車の場合、ただ空いていればよいというわけではなくて、
- 超ガラガラなら乗りたい
- そこそこ空いているなら乗りたい
- とにかく座れるなら乗りたい
このどのパターンの時もあるんです。
そんな時「リアルタイムで空き状況が確認できる嬉しいのに!」と、切に思います。なんとかしてください、JRさん。
荷物を置く網棚が付いていない
ないんですよ、網棚が。
おそらく2階建ての車両だからスペースがとれなかったのだと思いますが、ちょっとしたカバンとかコートとかお土産とか、置きたいです!
ま、超空いている時に乗るのがほとんどなので、気にならないことの方が多いのですが。あるとなおよいですね。
でもベビーカーで移動する時は、隅っこの椅子の裏に置けちゃいます。こっちの方が超大事、超メリット。
そしてどうしても荷物が多い人は、基本2階建てのグリーン車の1階建てしかない部分(両端)がオススメです。ここの席だけ網棚があるんでよねー。特別感は少し薄れますが(笑)、比較的すいているので長距離乗る方は検討の余地ありですね。
車内でSuicaが使えない
車内にはちゃんとグリーン券を買っているかどうかを確認するためのアテンダントさんが回ってきますが、ちょっとした飲み物(お酒含む)とか食べ物もついでに販売しています。
これまで書いたように、事前のグリーン券購入はかなりSuicaに振り切った仕組になっているのですが、なんと車内での買い物にはSuicaは使えないのです。
最初にお断りされた時は、思わず「ええっ!」と声をあげてしまいました。
車内でグリーン券を買う場合も同様なので、ご注意を…
※2019年6月更新
現在、一部の路線から徐々に、列車内での買い物にSuicaが使えるようになってきています。引き続き社内購入のグリーン券だけはSuicaで購入できないので、ご注意ください。(なんで?)
※2020年5月更新
大ニュース!
やっとやっと、車内でのグリーン券購入時にSuicaが使えるようになりました!
「新しい機器を導入した」ことで可能になったようなのですが、外からはうかがい知れないシステム上の問題があったんですねぇ。そんなに複雑そうな処理には思えませんが。とにかく朗報ですね。
JR東日本サービスクリエイションのニュースリリース(2020年5月20日)
実施中のキャンペーン情報(2024年1月更新)
普通列車グリーン車は、JR東日本にとってもうま味のあるサービス(アップセルですね)のようで、ちょこちょことあちこちの支社が利用促進キャンペーンをやっています。
随時、その時やっているキャンペーンの紹介をします。
「JRE POINTためて、つかってキャンペーン~条件達成でポイントを貯めよう~」
実施期間は、2023年12月1日(金)~2024年1月31日(水)。
キャンペーン自体はとにかくいろんな手段でJRE POINTの還元がされるよ、ってものなのですが、このキャンペーン期間中限定で、「(JRE POINT用)Suicaグリーン券」が 400ポイント で利用できるんです。
ちなみにこの期間は、冬季の「青春18きっぷ」の利用期間。割安グリーン券と18きっぷでお得に鉄旅を楽しむことができますね。
グリーン車でゆっくり読みたいオススメ本
ここで唐突ですが、せっかく余裕ができた移動時間にのんびりと読みたい、鉄道関連の新旧名著をご紹介します。なんとなく聞いたことがあるけれど読んだことがない方は、これを機会にぜひチャレンジしてみてくださいね。
絶対に後悔はしません!
おしまい
普通列車グリーン車が絶対にオススメな理由、わかっていただけたでしょうか? とにかくコスパが最強。快適な時間を(わずかな)お金で買う体験を、気軽にできてしまいます。人気が出過ぎて混雑してしまうのは嫌なのですが(笑)、まだまだキャパシティーはありそうなので、ぜひ乗ってみてくださいね。
公式サイトです。シ、シブイッ…!
PR記事もありました。JRも力をいれてますね!
**追記**
JR東日本は、2024年度末以降に中央線の快速列車にも普通列車グリーン車を導入すると発表していますよね。これからさらに、いろんな路線で増えていくのかもしれません。