エレキテルを修理して、日本初の電気実験をした人物として知られる平賀源内(ひらがげんない)。
1776年(安永5年)、ここ江東区深川(現在の住所は江東区清澄1丁目)の地で、平賀源内48歳の時にその実験は行われたということです。現在はポツンと1本、ささやかな石碑が立っているだけですが、両国橋を渡ったこの地で行われた世紀の大実験に思いを馳せながら、周辺を歩いてみました。
石碑は本当にささやか。何かの道標かなと思うくらいの存在感です。
どうやら読売新聞(江東ビル)の敷地内のようで、居心地悪そうに隅田川を向いて立っています。ポンと押したらなにかカラクリ仕掛けが発動するような雰囲気もありますが、もちろんそんなことはありません。
正面
最寄りの「清澄白河駅」からは徒歩10分弱、「門前仲町駅」や「水天宮前駅」からは徒歩15分ほどです。どの駅からもまずは隅田川に向かい、川まで出たら清州橋を目指しましょう。清州橋の端(江東区側)から平賀源内電気実験の地までは徒歩1〜2分ほどで到着です。
おわかりだろうか。左上、電信柱の間に…
石碑の前からは、遠く北の方にスカイツリーが見えます。
無理やり一緒に撮影したところでまったく美しくないのでお進めしませんが、清州橋の上から眺めるスカイツリー方向の景観はすばらしいの一言。間違いなく、イースト東京を代表するフォトスポットのひとつです!
石碑の向かいにあるのはリュウロ東京清澄。Rebitaが手掛けた超オシャレなデザイナーズシェアホテルです。泊まってみたいなぁ…
https://manimanimag.jp/a0575_20180831/
木村黙老著『戯作者考補遺』より/慶應義塾図書館所蔵
そもそもエレキテルとは何かといいますと、日本初の発電器(摩擦静電気発生装置)です。長崎で壊れたエレキテルを手に入れた平賀源内が、7年もの歳月をかけて修理し、復元したと伝わっています。現存する2台のうちの1台は、東京都墨田区の郵政博物館に収蔵されており、1997年に国の重要文化財に指定されています。
多芸多才の人として知られる平賀源内は、本草学(漢方医学)、儒学、漢学、医学、オランダ語など、他にも様々な学問や技術、そして芸術をおさめました。1300種の動植鉱物から厳選した360種を収録した図鑑「物類品隲(ぶつるいひんしつ)」を刊行するのなど、歴史的に価値のある著作も多数あります。
またゲイであったため妻帯はしませんでしたが、歌舞伎役者らを贔屓にして、愛を注いだと伝わっています。
そんな平賀源内の墓は台東区橋場(浅草の北エリア)にあり、1943年に国の史跡にも指定されています。
また故郷である香川県のさぬき市にも「平賀源内先生の墓」が、平賀家の菩提寺である微雲窟 自性院にあるということです。
さらにさぬき市には、平賀源内記念館(2009年オープン)( http://ew.sanuki.ne.jp/gennai/ )もあり、発明品や著作物、交流のあった杉田玄白や大田南畝との交換書簡などが展示されています。ここに展示されているエレキテルは、現存する残りのもう1台です。
“実験の地”が今に伝わるほど衝撃的だったエレキテルですが、かつて江戸の端っこだった深川の地には、魅力的なスポットがどんどんオープンしています。
清澄庭園までは、徒歩5分!
東京都現代美術館までは、徒歩15分!
江東区芭蕉記念館までは、徒歩10分!