東富橋/富岡の東で東富なのか、深川鼠の重要建造物(江東区-大横川)

東富橋 ブリッジ
東富橋

大横川にかかる東富橋(とうとみばし)、北は富岡、南は牡丹です。その富岡の東の端にあることから東富と名付けられたのかもしれないですが、確かなことはわかりません。フラットトラスの堂々たる躯体は、江東区指定都市景観重要建造物にも指定されています。関東大震災の震災復興橋梁のひとつでもあります。

 

東富橋からの風景

東富橋から東側を望む

東富橋から東側を望む

特徴的なのはこの東側の眺めです。東富橋は、東西に流れる大横川と、南北に流れる平久橋が交差する地点のすぐ西にあり、橋上からはその交差点を眺めることができます。

写真の中央に見えるビルの間いに入っていっている流れが大横川で、少しだけ南にズレてさらに東へとつながっています。対して、写真を左右に流れているのが平久橋。この交差点のすぐ右手には平久橋が、すぐ左手には汐見橋がかかっています。

東富橋から西側を望む

東富橋から西側を望む

こちらは西方面です。大横川の富岡-牡丹エリアの代表的な景観です。左右河岸の、川面にしなだれかかるように植わっているのは桜並木で、春には東京中から花見客が訪れます。

大横川が南北方向に折れ曲がったさらに東の亥の堀エリアも桜並木がありますが、川幅がここよりもう少し狭く、両岸の建物も低いため、また違った雰囲気の景観です。どちらも好きですが、私はこの東富橋や奥に見える隣の巴橋(ともえばし)、さらに西側の石島橋(いしじまばし)からの眺めが最上級だと感じます。

 

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東富橋がある風景

東富橋

東富橋

大横川の南西河岸からみた東富橋です。トラスの構造と、装飾がほどこされた欄干がうまく調和しています。

東富橋

東富橋

このしぶい橋梁は、深川鼠(ふかがわねずみ)というこれまた粋すぎる江戸カラーでペイントされています。欄干部分の色は消炭色(けしずみいろ)というみたいです。さすがは景観重要建造物ですね。こだわってます。

ちなみに深川鼠とは、〝薄い浅葱色に鼠色がかかった明るい色〟だそう。深川に架かる橋ですから、これ以上すばらしい選択はないですね。

 

東富橋の美しくリズミカルなトラス

東富橋

東富橋

東富橋は鋼鉄製のプラットトラス構造です。江東区内にも数多く存在するトラス橋ですが、道幅が広いため天井部分はダブルクロスになっていて、同じくトラスの名橋・福壽橋などとは違ったスケール感が楽しめます。

大小クロスするリズミカルな構造がとても力強く、美しいですよね。

 

東富橋

東富橋

このように、側面の鉄鋼もクロス部分は鉄板で頑丈に補強されており、頼もしい限り。

橋側面の橋灯には、矢のモチーフが。

欄干には江東区無形文化財の山崎喜作さんが作成された、深川八景の銅板がはめ込まれています。

そして、南の袂に立っているのは、「松平定信 海荘跡(はまやしきあと)」と題された看板。

松平定信と言えば、江戸自体に老中として活躍した陸奥白河藩主。寛政の改革を断行した人物として有名です。その松代定信が隠居後に入手し、庭園に趣向をこらした抱屋敷が深川海荘(ふかがわはまやしき)。造園家としての名高かった松平定信の老後の趣味が存分に発揮された、素晴らしいお屋敷だったようです。

江東区指定都市景観重要建造物

2004年(平成16年)に、水辺豊かな江東区の特性を保持するために、江東区指定都市景観重要建造物に区内にある4つの橋が選出されましたが、東富橋はそのひとつ。

建設後50年を経過しているものの中から、以下のような視点で、江東区都市景観審議会で審議された意見を踏まえ、4橋を指定されたということです。

  1. 地域の歴史的景観を特色付けていること
  2. 地域のランドマークとしての役割を果たしていること
  3. 区民となじみが深く、地域のイメージの核となっていること
  4. 外観・敷地の状況等が建設当時の状態で保存されていること

ちなみに福寿橋以外に選ばれた3橋は、萬年橋、亀久橋、福壽橋。いずれも甲乙つけがたい東京の名橋ですね。

江東区公式サイト|都市景観重要建造物

萬年橋/北斎や広重にも愛された虹の橋(江東区-小名木川)
深川を東西に貫く名運河・小名木川の最西端に架かる萬年橋(まんねんはし)です。建立時期や名前の由来は定かでないですが、江戸時代にはその高い橋桁による優美な虹型が町人に愛され、その姿は葛飾北斎や歌川広重によって美しく描かれました。松尾芭蕉所縁のスポットも付近に点在する、見所豊富な歴史的名橋です。
亀久橋/運河にかかるめでたい名前&歴史的名橋(江東区-仙台堀川)
江東区を流れる風流な運河・仙台堀川(せんだいぼりがわ)に架かる、亀久橋(かめひさばし)です。清澄白河のサードウェーブな人気珈琲店が集中する平野と、門前仲町のすぐ北エリア・冬木をつないでいます。南北の親柱にはステキなステンドグラスの装飾が。 
福壽橋/ツートンの鋼鉄トラスが美しい江東区指定の重要建造物(江東区-大横川)
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富岡八幡のすぐそばには、国指定の重要文化財である八幡橋もあります。東京の橋好きなら、こちらも必見です。

八幡橋/門前仲町の菊紋入り鉄橋は文明開化のシンボル(江東区-八幡堀遊歩道)
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おしまい

景色 ★★★★

容姿 ★★★★

価値 ★★★★

とてもすばらしい、江東区を代表する名橋です。東富橋という名前も、いかにも深川にある橋らしくてよいですね。長さは40.5mとそれほどでもないのですが、横幅がそれなりにあるので威風堂々とした雰囲気を感じられます。深川鼠が気になったら、富岡八幡の参拝ついでぜひどうぞ。

アクセス:東京メトロ 門前仲町駅 2番出口から徒歩6分くらい

 

東富橋の鋼鉄トラス

東富橋の鋼鉄トラス