大栄橋(だいえいばし)は、下を流れるかつて亥の堀と呼ばれていた大横川(おおよこがわ)と、江戸時代から続く江東区の名運河・仙台堀川(せんだいぼりかわ)がクロスする交差点のすぐ北側に位置しています。大横川はここからさらに南側へと伸びていますが、運河同士の交差点というデリケート(?)なポイントのため、南方向にはまっすぐのびる運河特有の眺めはありません。
その代わり、北側はすばらしい眺め。東京屈指の名橋・福壽橋(ふくじゅばし)の端麗な容姿もよく見えますよ。
大栄橋からの風景
北側はまっすぐ伸びる大横川、そして完璧な名橋・福壽橋(ふくじゅばし)が見える、すばらしい眺めです。
よくよく見ると、右手奥にあるマンション上にぴょこりとスカイツリーの先端がのぞいています。
こちらが南側。正面右手は壁にみえますが、大横川はさらに先へと伸びています。ぐぐっとそのまま南下し、東京メトロの木場駅付近でぐっと東側に屈折し、隅田川へと向かいます。
これは大栄橋の上から仙台堀川の東端をみたところ。隅田川からここまでのような姿は終わりになりますが、仙台堀川自体はさらに東へとのび、穏やかな小川の流れとそれを取り巻く親水公園は江東区を東西に横断しています。
大栄橋がある風景
残念ながら、私が今回訪れた2020年夏は工事中。
何をしているのかはよくわからなかったのですが、一部ペンキは塗りなおしている様子でした。おそらくまたうんとキレイになって、その剛健なトラスの躯体は鈍く輝いてくれるのでしょう。
北側隣の福壽橋と少しスタイルは似ていますが、よく見るとちょっと違います。
特に違いが分かりやすいのが、両側のトラス構造を連結する天井部分の組まれ方。福壽橋と比べると、ちょっと間が抜けています。
軽量化のために(?)空けられた鋼材の穴も、ちょっと雑なスクエアで、福壽橋の優美で控えめなアールはありません。より素朴で、男性的な橋ですね。
とても立派です。名前も政治家みたいに立派。
大栄橋付近のスポット
大栄橋のすぐ西側には、江東区民の憩いの場・都立木場公園の広大な敷地が広がっています。その木場公園は葛西橋通りで大きく南北ふたつの敷地に区切られていますが、大栄橋があるのはその葛西橋通りのすぐ北側。つまりは木場公園のちょうど南北中央東あたりに位置しています。
中央の大きな鉄柱は、木場公園の南北をつなぐ木場公園大橋の主塔です。その手前に見えているのは、崎川橋(さきかわばし)です。
おしまい
景色 ★★
容姿 ★★★★
価値 ★
とても立派でスタイリッシュなトラス橋なのですが、どうしてもとなりの福壽橋の影にかくれてしまう不遇の橋です。いつかその名の通り、大きく栄え、日の当たる場所に躍り出てくれることを願ってやみません。
なぜかキラキラひかっている橋銘