門前仲町の中心、富岡八幡宮参道のほぼ正面にある魚三酒場(うおさんさかば)は、東京でも屈指の人気酒場。その名の通り魚料理が豊富で、しかも安くて超旨いまさに大衆の酒場。その名店の唯一の支店が、同じ江東区内の少し北、清澄白河と森下の間にあるんです。
どんなところ? |まさに大衆酒場、みんなの魚三酒場
瓶ビールはスーパードライ(中瓶)
とりあえずまずは1杯。冷えたビールで喉を潤しながら、お店のご紹介。
東京都内に実は3店舗(支店が2つ)
私も最近知ったのですが、魚三酒場は都内に3店舗あるんですねー
言わずと知れた本店の富岡店(門前仲町)、新小岩店、そしてこの森下(清澄白河)にある常盤店。ずーっと富岡と常盤の2店だけかと思っていました。いつかは訪れてみたい新小岩店。 でも今日は常盤店。
店内の風景
誇らしげ店名が刻まれた大のれんと木製の引き戸の先に、長いコの字が2つ連なった馬蹄型のカウンターが現れます。平日休日問わず、閉店間際でもない限り”ほぼ”満席。店が開く16時頃には、今や遅しと開店を待つ飲んべえ達の姿が。
入店すると、カウンターの中を止まることなく歩き回ってる店のお姉様たちと目があいますが、席に案内されることはまずありません。空いている席を見つけてなんとなく近寄ると、フワッと着席を促され、1杯目を聞いてくれます。初めての来店か、入口で戸惑っている方をよく見かけますが、決して感じが悪くはないですよ。
たまに「接客が悪い」とか「店員の態度がひどい」といったコメントを見かけますが、私はそう感じたことはないです。確かに少し不愛想かもしれませんが、それは深川という立地と、人気があるからこその忙しさ故(ほんとかナ)。常に動き回るお姉様方の様子を眺めていれば、自ずと話しかけるタイミングや注文の仕方はわかるというものでしょう。
そもそも注文を取りたくない店なんて、存在しないわけですからね!
どこがすごいの? |酒場的癒しと、美味しさ
いつでも人で溢れている魚三酒場は、なにがそんなに魅力的なんでしょう。
魅惑の馬蹄型カウンター
居酒屋のカウンターって癒されますよね…
でも人それぞれ、良いカウンターの条件って違うと思うんですよ。ちなみに私の条件は下記3つ。
- 席数が少なすぎない
- 店員との会話が多すぎない
- 目のやり場に困らない
要は、居心地の悪さを感じないカウンターが好きってことです。
座席数が少なすぎると、後からきた常連の「そこどけ」 的な視線が痛かったり煩わしかったりします。
フレンドリー過ぎる雰囲気も、逆に会話することに気が行きすぎて(気を使いすぎて)疲れてしまったりします。
目のやり場、これも超大事。目のやり場が少なすぎるとどうしても店の方とばかり目があってしまって、あまり喋る気の無い(ことが多い)私はちょっと気詰まり。。
なんだか自分がめんどくさい客のような気がしてきましたが(笑)、魚三酒場はこの3条件を完璧に満たしています。
常にワイワイガヤガヤ賑やかな雰囲気に紛れて、一人のんびりぼーっと飲むことができます。
忙しく行き来する店のお姉様のタイミングを見計らって注文を通し、後は壁のメニューを一つ一つゆっくり吟味したり、隣のカップルの会話を聞いたり(恐縮です…)、遠くのカウンターで一人飲んでいる外国人客の様子を眺めたり、、、 完全に出来上がった自分の空間で、酒と肴を堪能することができるんです。
そんな自分だけのミクロコスモスを獲得し得るのは、広大な馬蹄型カウンターのおかげです。たぶん。
食べつくせないメニュー
厨房側のグランドメニュー
眺めているだけで食欲酒欲が高まってくる壁一面に貼られたメニュー。まずはこのメニューだけで酒が1杯飲めてしまいます。
食べたいものが山ほどあるのに「絶対にすべては食べることができない」という絶望を感じながら、身を切るような思いで捻り出す今日の注文。
順番、数、タイミング、組み合わせ、考えることは尽きません。生みの苦しみってやつです(違うか)。
写真は常時貼ってある通常メニューですが、仕入れの影響か時間のせいか、刺身は頼んでも無い場合もそれなりにある印象。天ぷら&揚げものは大丈夫。この他、オススメや季節のメニューもあります。
パッと見てわかる通り、だいたいのメニューが500円を切る、まさに大衆的な酒場。しかも旨い。
控えめに言って、最高です。
飲み物のメニューは、お酒(190円!)を筆頭に、ビール(550円、スーパードライ中瓶)、生ビール小(470円)、生ビール大(670円、ほんとにでかい)。
他、生酒(600円)、升酒(400円)、大関(400、下町ならでは)に、ウイスキー(380円)やワイン(1,100円、ボトルかな?)なんかもあります。ソフトドリンクはウーロン茶(150円)とジュース(150円)。なんのジュースかはわかりません。笑
本日のメニュー、そしていつものお汁
そんなこんなで、一番最近はいかいちゃんが伺った際のメニューを、ご紹介。
まず座ると同時に「瓶ビール」と一言。
すぐ来たビールをやりながら思案すること5分で、注文したのがこちらホタテ刺し(350円!)。実は赤貝売り切れによるハズレ1位でしたが、最高。
そもそも入店したのがラストオーダーギリギリだったので、バタバタ訪問。ここから急ピッチの急展開、アジフライ(410円)。ウスターソースで、最高。(実はこの前に、写真を取り忘れたヤリイカ(いくらだったかな?)が。)
次は迷った挙句、サバ塩やき(340円)。実は時間が無くてプチ混乱しながら注文。当然美味しかったけど、本当にこのチョイスでよかったのかしばし煩悶(笑)。
ここでタイムアップ。
と言いつつ、最後に当然ながら、
おしる(100円)。
立ちのぼる湯気と大盛りネギ、中にはしっかり身のついた魚(ブリかな?)とお豆腐。これを飲むと、ここまでがどんな道のりであっても、すべて正解だったと思える不思議。サバ塩、超旨かったよ。
ラストオーダーの時間になると、お姉様方が全員に「おしる飲む?」と声をかけてくれるので、とにかく笑顔で頷きましょう。この至福、この値段、問答無用ですね。
毎回「次は絶対アレを注文しよう」と心に決めて退店するんですけど、いつも忘れてしまうので備忘メモ…
- イワシの刺身
- トロブツ
- メロウかま焼き
行き方(アクセス)は?
魚三酒場常盤店は、清澄通りという深川エリアを南北に貫く大動脈沿いにあります。ちょちょいと調べればまず迷うことはありません。
「森下駅」から徒歩5分
最寄りは「森下駅」です。「森下店」なんて言う人もいるくらい。
「森下駅」は都営新宿線と都営大江戸線の2路線が乗り入れています。駅に着いたら[A7]出口から地上へ。出口のすぐ脇には、“カレーパン発祥”で有名なカトレアというパン屋があります(大好き)。
出口の目の前を走るのが清澄通り。この通りを右手(南方向)に進みます。出口から200mほどまっすぐ歩くと、もう店の前。到着です!
ビル脇に大きくかかる「魚三酒場」の看板が、遠くからも目立っています。
近くの立ち寄りスポットはこちらの記事を参考にどうぞ。
「清澄白河駅」から徒歩3分
もう一つは、都営大江戸線と東京メトロ半蔵門線が走る「清澄白河駅」から向かうルート。
駅に着いたら[A1]出口から地上へ。目の前の清澄通りを左手(北方向)に進みます。出口から250mほどまっすぐ進んで、店に到着です!
実はこちらの方がオススメ。深川エリアを象徴する風景のひとつである「高橋から眺める小名木川」が眺められる、というのがその理由。酒場に向かって早足になりがちな飲んべえが立ち止まる美しさが、夕焼けの高橋にはあると思うのです。
おしまい
魚三酒場が東京を代表する大衆酒場であることは誰しも認めるところですが、この常盤店は穴場と言えます。本店の富岡店ほどは混んでいないのに加え、周囲には江戸深川ならではの立ち寄りスポットもたくさん。2019年春には、徒歩圏内にある東京都現代美術館もリニューアルオープンしました!
いつまでも同じ姿で同じ値段で同じ人気であり続けて欲しい、絶対に一度は訪れるべき下町の名店です。
店舗データ
営業時間 16:00〜22:00
定休日 日・祝
電話番号 03-3631-3717
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