清澄白河のオススメパン屋ベスト20

桑原商店 (五反田)/”あたらしい街の酒屋”が、飲みニケーションを再定義する

桑原商店 スポット
スポット
JR山手線「五反田駅」から徒歩5分ほどの裏路地に忽然と現れた桑原商店くわばらしょうてん)。
客・生産者・酒屋の三方良しが飲みニケーションの再定義によってデザインされた、スタイリッシュで野心的な、”あたらしい街の酒屋”に行ってみました。
空間設計は、スキーマ建築計画の長坂常さん!

桑原商店

店頭のネオンサイン

スポンサーリンク

どこにあるの? l 店舗までの行き方

五反田駅から店までの中間地点にある、五反田大橋

JR山手線「五反田駅」の西口を出て右へ、片側3車線の大通り・桜田通りを左方向に進みます。目黒川にかかる五反田大橋を超える頃までには、通りの右側へ渡っておきましょう。橋を超えて1分くらい歩き、TSUTAYA」と「小諸そば」の細くて薄暗い路地を右折するとすぐに、それらしき建物が左前方に見えてきます。のんびり歩いても、5分ほどの道のりです。駅チカで宴会がある際の、0次会でも十分”あり”の距離ですね。

都営浅草線「五反田駅」を利用する場合は、A2]出口が最寄り。桜田通りの向かう方向の右側歩道に出るので、そのまま直進。五反田大橋からは上と同じですね。

ん?なんだあれ、って感じになります。知らない人は入ってよい店だと気がつくかな

どんなところなの? |日本酒とおつまみを立ち飲みで

桑原商店

店内全景。黄色ボックスが重なっているのが、可動式の立ち飲みテーブル

そもそも桑原商店は大正4年創業という超老舗の酒屋さん。その老舗が未来を見据えて試行錯誤を重ねに重ね、2018年12月に満を持してオープンしたのが新生「桑原商店」です。

基本的には日本酒をメイン商品とした酒屋なんですが、17時を境に立ち飲み(一部イスあり)の角打ち酒場へと姿を変えます。販売している約150種類の日本酒のうち、1杯単位で味わえるのは約40種。それでもかなりの数ですよね。さらに全国各地のお酒にあう缶詰などの加工品おつまみや、簡単ながらもツボをおさえた調理メニューがそろいます。

これだけだと「そういうお店、最近みるよねー」という感じなのですが、何かが違います。

初めて外から見た時の印象は、まるでラボラトリー。決して入りにくい雰囲気ではないのですが、予備知識がまったくないと通り過ぎてしまうかもしれません。そもそも左右にはまったく他の店舗がない裏路地なので、飲みたい気分の通行人が偶然通りかかる機会もあまりなさそうです。逆にそうしたところに、店側のやる気というか決意と言うか、ただならぬ意気込みを感じてしまう、はいかいちゃんです。笑

 

そもそもスキーマ建築設計が手掛けているという時点で、ただの酒屋であるはずがないないですよね。数々の先進的な店舗や住宅を手掛けてきた長坂常さんですので、こちらのプロジェクトもいろいろなデザインや仕掛け、そして関係する人々のベネフィットが埋め込まれているはずです。

プロジェクトの全貌は知るよしもないですが、感じたことを書いてみようと思います。

 

全然関係ないですが、表参道の「HAY TOKYO」超カッコいい! HAYの世界観、期間限定ショップという条件、そしてスキーマカラーが、超うまく噛み合っていると感銘を受けました。もちろん「Blue Bottle Coffee 清澄白河ロースタリー&カフェ」も大好きです。

 

どこがすごいの? |5つにまとめてみました

SAKE看板。反対側には「酒」って書いてあった

まず感じたのは、桑原商店が実現するのは”飲みニケーションの再定義”だということ。そもそも飲みにケーションとは、「職場内や取引先との上っ面になりがちな人間関係を、お酒の力を借りてググッと近づけよう」ということだと思います。つまり重要なのは”酒の勢い”ってやつですね。

最近では「パワハラやセクハラの温床」「ワークライフバランスの敵」などと忌避されたりしています。我が社は飲みニケーションを重視しているなんて言った日には、「時代錯誤だ!」「ブラック企業だ!」などと言われかねません。

ですが、この”酒の勢い”というやつは決して侮れないと思いますし、使い方を間違えなければ人と人を近づけるための大きな手段になるのは間違いのないところです。酒好きの妄言かもしれませんが。というかたぶんそうでしょう。笑

 

桑原商店は、その”酒の勢い”で近づけるべき対象を拡張し、そうすることによって飲みニケーションを再定義することにチャレンジしているではないでしょうか。

拡張された両者とは、例えばたまたま角打ちで肩を並べた客と客、日本酒の生産者と消費者、酒屋の主人と酒を買いに来た客、さらにはアートと人まで及びます。そしてその両者がこのラボラトリーの中で交わり、化学反応を起こすべく、この”あたらしい街の酒屋”が計画されていると感じました。

 

1.お酒のプレゼンテーションがすごい

日本酒好きは「キャー!」ってなります。最近話題のものから、銘酒まで。流行りのワイン系も豊富でした

販売中の日本酒がズラリと並べられた、まさに桑原商店の顔といった風情のショーウィンドウ。それ自体が冷蔵庫になっていて、明るく照らされながらもLEDのため品質を損なわないように配慮されています。笑顔の(またはそれらしいしかめっ面をした)客が、1点1点の紹介コメントを吟味しながらうろうろしている姿が目に浮かびます。最近の日本酒はデザインもよいので、ジャケ飲みというスタイルも大いに想定したプレゼンテーションなのだと思います。
30ml、60ml、180ml(1合)と飲みたい量だけ飲めるのも、これだけ種類があると嬉しいですよね。ちなみに低温調理器(!)を使ってお燗もできます。

2.つまみのバリエーションがすごい

調理メニューは15種類ほど。奥にみえるのは冷蔵加工品コーナー

缶詰やお菓子などの加工物のラインアップは角打ちスタイルには十分すぎるほどですが、桑原商店が単なる角打ちのレベルを超えているのは調理メニューの存在。これがあることで、0次会的な存在から、ぐっと腰を押し付けて(立ち飲みだけど)飲もうという店に変わってきます。小鯛笹漬け、ジャンボしゅうまい、カブとゆず味噌etc、、、こんなのお酒進んじゃうでしょ。笑
桑原商店
ステンレスの調理キッチンも、ミニマムで素敵です。

3.立ち飲みスペースがすごい

手前がハイチェアー付きのスペース

酒瓶用のよく見るプラスチックケースをタテにつなげた可動式の簡易テーブルがメイン。イベントの開催とかも見越してのものだと思うけど、テーブルが動くってすごくないですか? 一瞬の揺らぎの様に生まれたコミュニケーションを、継続的な活動にするためのキラーツールだと思います。もしかしたらこれがこの店で一番すごいかも。
大理石風の天板がのったイスありのテーブルスペースも、つい前の人に「それ何飲んでるんですか?」なんて聞きたくなる絶妙なサイズ感。なにより酒庫が近いので、どうしたって”次”を考えざるを得ません。

4.アートが購入できるのがすごい

酒庫の横にさりげなくかかる絵画。ん?

桑原商店

売り物でした。これは要相談ですが、1万円台の作品もありました

最初は気が付かなかったんですが、壁にかかってる絵、さりげなく置かれているオブジェ、全部買えるんです。理解した瞬間、ちょっと興奮しました。これ結構すごいです。

アート作品が飾られた家、アートを買う生活。どちらも憧れますが、どこで何を買えばいいのかわからないんですよね。もちろんステキだなーほしいなーと思うことはあるけれど、決め手がないんですよ。頻繁に買うわけじゃないからこそ、1点にかかるプレッシャーも大きくなるというもの。家族にも来訪者に対しても、「なぜそれを買ったのか」というアカウンタビリティーが生ます。笑

こういった“素人のアート購入”にまつわるまったく本質的でないお悩みを解決する一つの手段が、”酒の勢い”なんじゃないかと思うわけです。お酒を飲みながら鑑賞し、その場のコミュニケーションを通じて背景やコンセプトを時間をかけてなんとなく理解し、同行者とやんややんやと盛り上がる。もしかしたら作品以外の部分での作者とのつながりを感じることもあるかもしれません。つまり、作品自体のみならず、作品や作者との出会いのストーリーを購入するわけです。モノでははく、コトを消費するというのはこういうことですよね。巧妙!

店主がアートも生業にされている方だと後で知りましたが、偶然のシナジーか計画的犯行かはともかく、なんというポテンシャルの高い組み合わせだろうと感じ入りました。

 

5.とにかく店全体がカッコイイ

インダストリアル系というか何と言うか、オシャレです。イケてます。それだけで気分が上がりますし、新しい体験をしに誰かを誘って行ってみようという気になります。
私が最初に訪れたのは昼でしたが、そのエッジ―な空間の中でお年を召したおじいさんが働く風景は妙に魅力的でした。そして気さくにいろいろと店について熱く説明してくださいましたが、いい意味で家族経営らしさを感じてグッときました。内装施工はDIYの部分も多かったとのことです。

おしまい

なんだか褒めすぎちゃったので店の回し者みたいなんですが、まったく無関係です。笑

しかもここに書いたことはあくまでも、そういう店の姿が「イメージできる」ということです。そのイメージが今後本当に実現していくのか、はたまたそうは上手くいかないのか、一人の客として見守っていきたいと思います。

唯一の気がかりはロケーション。そもそもの成り立ちとして動かせない要素であったのだろうと言うものの、これが吉と出るか凶と出るか。少なくとももっと相応しい場所はイメージできます。それこそ絵にかいた餅なんですが。

 

【店舗データ】

定休日:日・祝

営業時間:飲食 17:00〜21:00(LO)、小売10:30〜21:00

 

 

 

【プロフィール】
はいかいちゃん

30代後半、東京のどちらかと言えば東側で暮らしている美人姉妹の父。それなりに多忙な仕事と育児の合間を縫って、せっせと街や川辺や密林をはいかいしています。好きなモノやコトは、歩く、食べる、酒、旅、買いもの、本、写真、春秋、建物、007、自宅、妻子

はいかいちゃんをフォローする
スポンサーリンク
シェアする
はいかいちゃんをフォローする
はいかいちゃん、街をあるく