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映画「海街diary(うみまちダイアリー)」を観た|あらすじ、感想、広瀬すず

4姉妹 ムービー
(C)2015 吉田秋生・小学館/フジテレビジョン
ムービー

2015年に公開された映画「海街diary(うみまちダイアリー)」、第39回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品。監督・脚本は是枝裕和、主役の4姉妹を演じるのは、綾瀬はるか、長澤まさみ様!、夏帆、広瀬すずちゃん様!です。日本の映画ファンなら見ない理由がない、名作です。

Amazonプライムも無料(2020年6月現在)。

視聴はこちらから

 

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漫画原作。未読など関係なく、素晴らしい映画

原作は、吉田秋生(よしだあきみ)さんにによる漫画です。2007年から2018年まで、「月刊フラワーズ」にて不定期連載されていました。
映画が公開されたのは2015年ですので、映画公開後にも連載は続き、3年後に完結したんですね。
ちなみに「海街diary」の連載開始時、吉田秋生さんは50歳。

私は漫画は読んでいません。(全体的な設定と、4姉妹の役どころをなんとなく知っていた程度…)
ですが、是枝監督と長澤まさみ様と広瀬すずちゃんという3人の大スターに否応もなく引き寄せられ、公開直後に観にいきました。

結果、大正解。
主役の4姉妹以外にも個性の強い豪華キャストが勢ぞろいした作品ですが、そこはさすがの是枝監督。
穏やかで終始大事件の起きないストーリーを、鮮やかな脚本ワークと積み重ねられたディテールで、すばらしい”映画”に仕上げられています。

それにしても豪華な俳優陣です。
樹木希林、大竹しのぶ、風吹ジュン、堤真一、リリー・フランキー、加瀬亮、鈴木亮平、坂口健太郎、長尾卓磨…

(C)2015 吉田秋生・小学館/フジテレビジョン 小学館 東宝 ギャガ

 

かんたんに、あらすじ ※ネタバレ微小|海街diary

Amazonプライムビデオの作品紹介から、あらすじを引用します。

まぶしい光に包まれた夏の朝、三姉妹に届いた父の訃報。 十五年前、父は女と出て行き、その後、母も再婚して家を去った。 三姉妹を育てた祖母もとうに亡くなり、広くて古い鎌倉の家には、彼女たちだけが残った。 両親へのわだかまりを抱えた、しっかり者の長女の幸と、そんな姉と何かとぶつかる次女の佳乃、マイぺースな三女の千佳。 三人は父の葬儀で、腹違いの妹すずと出会う。 頼るべき母も既に亡くし、それでも気丈に振る舞う、まだ中学生のすず。 そんな彼女の涙を見て、幸は、別れ際に「いっしょに暮さない?」と誘う。 そして、秋風とともに、すずが鎌倉へやって来る。 四人で始める新しい生活。 それぞれの複雑な想いが浮かび上がる――。 (C)2015 吉田秋生・小学館/フジテレビジョン 小学館 東宝 ギャガ
~以上、Amazonから引用~

是枝監督が得意とする、家族譚。
言い方を変えると、一般的には“普通とされていない”家族のお話し。

新しい日常、ニューノーマルを模索し、しなやかに前に進んでいくあたたかい家族と、家族を取り巻く人々のストーリーです。

 

 

4姉妹というパワーワード|海街diary

(C)2015 吉田秋生・小学館/フジテレビジョン 小学館 東宝 ギャガ

4姉妹っていいですよね。

若草物語の時代から、ポッキー四姉妹物語まで、何と言うかその中で完結しているというか、入り込むととんでもないことになりそうな感じというか、触れてはいけないけど触れてみたい蠱惑的な引力があるとは思いませんか。
ヴァージン・スーサイズは5姉妹。

 

この4姉妹、しかも異母妹もふくめた4人の日常と関係性の緩やかな変化が、この物語?を進める大きな川になっています。

それにしても、ありふれてはいない誰かの”日常”をすくいあげる是枝監督の力量は、素晴らしいものがあります。
なんて事のない会話の中に、必ず誰かの感情の揺らぎが混じっている。

そういった場面で、表情はまったく変えずに温度だけ上げられる(もしくは下げられる)俳優が、是枝監督の映画には集まっているのだと感じます。

 

 

浅野すず=広瀬すず|3姉妹の生活に突如現れた、年の離れた異母4女

(C)2015 吉田秋生・小学館/フジテレビジョン 小学館 東宝 ギャガ

私が映画で広瀬すずちゃんを観たのはこの作品が最初。と言うか、広瀬すずちゃんの演技自体を「海街diary」で初めて観ました。

最高です。

 

とにかくいつも「叩かれている」イメージしかなかったのですが、登場シーンから引き込まれてしまいました。

演技が上手いのか下手なのか、もしかしたまんま素でやっているのではないか。て言うか、[役名=すず]だし。笑
でもそんな巧拙なんてどうでもよいことにいつの間にか気づかされている、広瀬すずちゃんのまばゆさ、眼力、圧倒的な女優感、主役力。

 

この年頃は男子の方がより未成熟とは言うものの、”人”としての存在感のあまりの違いは、広瀬すずちゃんの特別感を否が応にも引き立たせる結果となっています。
とにかく、スペシャル。

「誰も知らない」の柳楽優弥くんを思い出す。

 

 

香田佳乃=長澤まさみ|圧倒的な美貌とスタイルの、男運悪めの次女

(C)2015 吉田秋生・小学館/フジテレビジョン 小学館 東宝 ギャガ

そして長澤まさみ様。

映画は、長澤まさみ様のセックスシーンで幕を開けます。
と言っても、裸の男女が遅めの朝に目覚めるシーンなんですが、このシーンは結果的にとても効いていてます。
終始、ほのかな”死”のニオイが漂っている本作において、いきいきとした”生”を感じるこのシーン(の記憶)がバランスをとっているような気がしました。
ストーリーの途中でそういったシーンが入ってくると、なんだか興醒めしてしまう気もするので、いれるとしたらここしかなかったのかもしれない。そんなことも思いました。

 

それにしても、どんな映画でも最高な長澤まさみ様は、もちろん「海街diary」でも最高。

素晴らしく魅力的な笑顔に、少し疲れを残した何気ない横顔。設定的には佳乃が一番無理があるかも。
鎌倉って東京まですぐだし、こんなに美人でオシャレでスタイルの良い女の子が、(こんなにピュアで瑞々しい感性を保ったままで、)こんな風な生活を送っているはずはないんじゃないかと。
偏見か…

 

 

まじめな長女(綾瀬はるか)、マイペースな三女(夏帆)|海街diary

(C)2015 吉田秋生・小学館/フジテレビジョン 小学館 東宝 ギャガ

長女と三女も人気女優でガッチリ固められています。
もはや国民的女優の綾瀬はるかと、ゆらゆら評価を上げ下げしながら独特の立ち位置を確立した夏帆ちゃんです。どちらもよいです。

 

ですが、四女が広瀬すずちゃんでなかったら、ここまでの豪勢なキャストは必要なかったのかも。

四女だけが目立ちすぎるとこの映画は良くない。
だから、なんとかバランスをとって”日常”を描くためにそろえられた、この4人なのではないのかしら… なんて邪推までさせちゃうほどの、広瀬すずちゃんです。

(C)2015 吉田秋生・小学館/フジテレビジョン 小学館 東宝 ギャガ

 

 

生きてる者はみんな手間がかかる

この映画の主題が、いちばん直接的に表現されたセリフかもしれません。

毎年恒例の梅仕事のなかでポロっとこぼれたセリフ。
この映画に出てくる登場人物で、何も抱えていない人は一人もいません。それは執拗なほどに徹底しています。

 

みんな何かを抱えているし、みんな違うことを考えているし、どんなにいつも一緒にいても、家族でも、お互い知っていることなんてほんの一部。
そんな世界の片隅で、今この4人の女の子が楽しく笑いあえているのは、控えめにいって奇跡。
すべての一瞬一瞬が奇跡のような瞬間だからこそ尊い、4姉妹の日記。

 

いつまでもみていたい。
でも、この前も後ろも、こんなに美しくないはいことがわかっている。

 

4人姉妹の(もしかしたら、“すず”にとっての)、一番美しかった季節を切り取った126分間のダイアリー。

 

ありがたや…

 

ーーー

DVDで手元に置いておきたい人向けのリンクです。
海街diary Blu-rayスペシャル・エディション

 

是枝監督も寄稿している写真集(!)。買おうか悩んでいます(←まだ買ってない)

写真集 「海街diary」(青幻舎)

 

【プロフィール】
はいかいちゃん

30代後半、東京のどちらかと言えば東側で暮らしている美人姉妹の父。それなりに多忙な仕事と育児の合間を縫って、せっせと街や川辺や密林をはいかいしています。好きなモノやコトは、歩く、食べる、酒、旅、買いもの、本、写真、春秋、建物、007、自宅、妻子

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